
自動車関税に対抗、メキシコが包括的対応策を発表へ
2025年4月3日、メキシコ政府は、米国のDonald Trump大統領が発表した新たな輸入関税への対抗策として、「respuesta integral(包括的な対応)」を発表する予定である。関税は主に自動車と軽トラックに対して25%の税率で課されるもので、4月3日に発効する。
Claudia Sheinbaum大統領は、3月28日の定例記者会見「La Mañanera del Pueblo」において、「これは国境を閉ざすことではなく、協調を継続しながらメキシコの産業と雇用を守るための措置である」と述べ、メキシコの対応方針を強調した。
この動きは、近年強化されてきた米墨加協定(T-MEC)における条項を活用しつつ、米国による一方的な関税引き上げの影響を最小限に抑えることを目的としている。
関税の適用条件とT-MECによる緩和措置
今回発表された米国側の新関税政策では、T-MEC(Tratado entre México, Estados Unidos y Canadá/米国・メキシコ・カナダ協定)の枠組み内で輸出される自動車や部品について、米国製の部品比率に応じて関税が部分的に免除される。
Sheinbaum大統領は、「米国、メキシコ、カナダ間で合意された輸入車に対しては、その車両がどれだけ米国の部品を使用しているかを証明すれば、関税は非米国産部分にのみ課税される」と説明した。これにより、T-MEC域内の統合的なサプライチェーンを維持する余地が残されている。
特に、自動車製造における部品の再輸出が頻繁に発生するケースでは、複数回にわたる課税を回避するための取り決めも同時に進められている。
メキシコ自動車産業の輸出構造と経済的影響
Secretaría de Economía(経済省)のMarcelo Ebrard長官は、ワシントンからのリモート参加にて、「メキシコは年間約300万台の車両を米国に輸出しており、米国内で使用される自動車部品の約40%がメキシコから供給されている」と述べた。
この発言は、メキシコの自動車および部品製造業が、米国の市場と深く統合されている現状を示しており、今回の関税政策が両国に与える影響の大きさを強調するものである。
Ebrard氏はまた、「関税の実施がメキシコ国内の雇用や企業収益に悪影響を及ぼさないよう、米国商務省(Department of Commerce)およびOficina del Representante Comercial de Estados Unidos(米国通商代表部)と協議を重ねてきた」と述べている。
自動車産業の保護と長期的な統合戦略
Sheinbaum大統領は、今回の関税政策に対応するため、業界の関係者との対話を重視している。具体的には、「industrias automotrices(自動車産業)」のグローバル企業の経営陣との会合を通じて、メキシコのサプライチェーンへの信頼維持と、北米全体での生産戦略強化を目指している。
「産業界との協議によって、今後の投資や製造計画に影響を与える要因を明確にし、長期的な競争力を守る施策を模索していく」と、Sheinbaum氏は述べた。
一方で、関税による部品コストの上昇や、物流面での再調整なども課題として残っており、関係各省庁は今後数週間内に具体的な対応計画を提示する方針である。

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