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米国、麻薬カルテルを「テロ組織」に分類
2025年1月20日、アメリカ合衆国のドナルド・トランプ大統領は、メキシコの麻薬カルテル、ベネズエラの犯罪組織「Tren de Aragua」、およびエルサルバドルのギャング「MS-13」を「外国テロ組織」(Foreign Terrorist Organizations)に指定する大統領令に署名した。
この指定により、これらの組織は「イスラム国」(ISIS)や「アルカイダ」と同様に、アメリカ企業や市民が「物質的支援」を提供することが禁止される。

トランプ大統領の声明と新政策の内容
トランプ大統領はホワイトハウスの執務室で署名後、「メキシコはおそらくこれを望んでいないだろう」と述べ、メキシコ国内でのカルテルに対する攻撃の可能性について問われると、「それはあり得る。もっと奇妙なことも起こった」と答えた。
大統領令では、麻薬カルテルについて以下のように述べられている。
「カルテルは、殺人、恐怖、強姦、暴力を通じて、アメリカ南部国境を越えるほぼすべての不法な移動を実質的に支配している。メキシコの特定の地域では、準政府的な存在として機能し、社会のほぼすべての側面を支配している。カルテルの活動は、アメリカ国民の安全、アメリカ合衆国の安全、および西半球における国際秩序の安定を脅かしている。彼らの活動、近接性、およびアメリカ領土への侵入は、アメリカの国家安全保障にとって容認できないリスクをもたらしている。」
特に「Tren de Aragua」に関しては、トランプ政権はこの組織の「メンバー」と見なされる人物の国外追放を命じる予定であると、移行チームの関係者が記者団に伝えた。
このグループはベネズエラの刑務所で結成され、南米の複数の国で活動しており、2024年7月にはバイデン政権下の財務省によって制裁を受けている。
また、「MS-13」は、エルサルバドル、ホンジュラス、グアテマラに起源と存在を持ち、2012年にオバマ政権下で財務省の制裁対象となっている。
メキシコ政府への影響と反応
メキシコ政府は、今回の発表が国家主権に対する一方的な行動であると懸念を表明した。トランプ大統領は「メキシコがこの決定を歓迎するとは思えない」と述べ、必要であればメキシコ国内での攻撃の可能性も排除しないとした。これにより、両国間の外交関係が緊張する可能性が高まっている。
Sheinbaum大統領の反応とメキシコの立場
Claudia Sheinbaum大統領は、米国の決定に対し、メキシコの主権と独立を強調し、協力はするものの、従属はしないと明言した。彼女は、「彼ら(米国)は自国の領土内で行動することができるが、我々は我々の主権と独立を守る」と述べ、米国との対話と協力を求めつつも、メキシコの内政への干渉は許さない姿勢を示した。また、Sheinbaum大統領は、米国国内にもフェンタニルなどの薬物を販売する犯罪組織が存在することを指摘し、米国が自国内でこれらの問題に対処する必要性を強調した。
メキシコ国内の反応と政治的影響
米国の措置に対し、メキシコ国内では与野党を問わず、主権を守るための団結を呼びかける声が上がっている。与党のRicardo Monreal議員は、「我々は団結と慎重さをもって、大統領と共に共通の前線を築くべきだ」と述べ、一方、野党のLilly Téllez議員は、「私は、メキシコの主権をカルテルに売り渡した大統領と団結することは決してない」と批判的な立場を示した。この問題は、メキシコの内政においても大きな議論を引き起こしている。
今後の展開と懸念される影響
専門家によると、今回のテロリスト指定は、メキシコ国内の商業活動や国際貿易に影響を与える可能性がある。アメリカ商工会議所の調査では、アメリカ企業の約45%がメキシコでの恐喝被害を報告しており、犯罪組織による商業施設への圧力が広く蔓延している。
また、テロ組織の指定は、移民問題にも影響を及ぼすと見られている。メキシコ経済における犯罪組織の存在感を考慮すると、今回の政策が地域の安定にどのように影響を及ぼすかが注目される。

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