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CDMXが水危機を回避、貯水量は前年の約2倍に
Clara Brugada氏率いるCiudad de México(CDMX)政府は、2025年3月現在、水資源の危機的状況を回避している。前年に比べてSistema Cutzamala(クツァマラ水系)の貯水量がほぼ倍増したことにより、深刻な水不足には至っていないと当局は発表した。
地元メディアやComisión Nacional del Agua(CONAGUA、国家水委員会)のデータによれば、Cutzamala水系の主要な3つのダム――Villa Victoria、Valle de Bravo、El Bosqueの合計貯水率は2025年3月20日時点で57.61%に達している。これは、前年同月の34.77%を大きく上回る数値である。
とりわけVilla Victoriaダムでは、2024年5月31日に24.61%という最低水準を記録していたが、現在は回復傾向にある。しかし、2019年と比較すると依然として低水準であり、長期的な回復には継続的な施策が必要とされている。
雨水活用や漏水対策など多角的な水管理戦略を実施
CDMX政府は、水危機への対策としてさまざまな施策を実施している。2025年1月までに、Iztacalco、Iztapalapa、Tláhuac、Tlalpan、Venustiano Carranza、Xochimilcoなどの区において、計73,000基のsistemas de captación de agua de lluvia(雨水捕集システム)が設置されている。
さらに2025年内には、首都全域における20カ所のmercados públicos(公共市場)に雨水捕集装置が追加設置される予定で、年間最大630,000リットル(10,000リットルのpipa換算で63台分)の雨水利用が見込まれている。
このような施策に加え、CDMX政府は「C5 del Agua(水の監視システム)」を導入し、市内の井戸や給水ポイントにおける監視を強化。加えて、漏水への迅速対応のための通報ラインの設置や、gabinetes de agua(水戦略担当部局)による監視体制も整備している。
政府によれば、これらの施策によって2025年は「水危機」とされる状態を回避できたとされているが、専門家や市民団体はその評価に慎重である。
水の不平等と住民の声:「危機は終わっていない」
Frente por la Defensa de los Pueblos y Barrios(水と地域の防衛のための連合)に所属する活動家のAlejandro Velázquez氏は、「水危機は続いている」と主張する。
彼によれば、CDMX内には今もなお週に数回しか水が供給されない家庭が存在し、供給された水も飲用に適さない場合があるという。水系の貯水率が上昇しても、地元住民の日常生活における水アクセスの不均等が改善されたとは言い難い状況である。
また、同団体は透明性の欠如にも言及しており、企業や大規模施設が大量の水を使用している一方で、一般市民の水使用には制限が多いと批判している。とくに企業のconcesiones de agua(取水許可)が見直されていない点について、政府に説明責任を求めている。
「水の盗難」対策へ、CDMXで法改正の動き
CDMX議会では2025年2月、diputado(議員)Miguel Macedo氏(Movimiento Regeneración Nacional)が、Código Penal(刑法)改正案を提出した。これにより、「robo de agua(水の盗難)」や「huachicoleo de agua(水の不正採取)」という語句が正式に刑法に加えられる見通しとなった。
改正案では、以下のような罰則が盛り込まれている:
- 一般的な水の盗難:2〜6年の禁錮刑、および22,628〜33,942ペソの罰金
- 水の違法販売:最大8年の禁錮、および66,000ペソ以上の罰金
この改正案は現在、Congreso de la Ciudad de México(メキシコ市議会)のComisión de Gestión Integral del Agua(統合水管理委員会)にて審議中である。
UNAM(Universidad Nacional Autónoma de México、メキシコ国立自治大学)社会調査研究所のManuel Perló Cohen氏は、「ダムや河川、井戸に対する常時監視が必要であり、連邦レベルでの法整備も求められる」としている。同氏によれば、BosquesダムとColorinesダムをつなぐ水路には、1,000以上のtomas clandestinas(不正取水口)が存在しているとされる。
気候変動・パンデミック・構造的課題が水資源の不安定要因に
Asociación Agua Capital(水資本協会)によれば、2023年から2024年にかけてCDMXを襲った水危機の主因は以下の通りである:
- Covid-19パンデミックによる水使用量の急増
- 「El Niño(エルニーニョ現象)」による降雨量の激減
- 熱波と干ばつによる供給源の枯渇
- 貯水施設や水路における水の盗難
これらの要因が重なり、Sistema Cutzamalaの貯水率は一時、歴史的な最低値を記録した。CDMX政府はこうした教訓を踏まえ、雨水の再利用、漏水の抑制、盗水対策、民間企業への規制強化などを包括的に進めている。

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