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Tabascoの暴力拡大に関与、犯罪組織幹部をJaliscoで逮捕
連邦政府の治安部隊は2024年1月以降Tabasco州で暴力事件を引き起こしていた犯罪組織「La Barredora」の幹部とされるUlises “N”(通称「Pinto」)をJalisco州のTlajomulco de Zúñiga市で逮捕した。これはOmar García Harfuchが率いるSeguridad y Protección Ciudadana(治安・市民保護省:SSPC)が発表したもので、今回の逮捕により同州の治安悪化に歯止めがかかると見られている。
麻薬・武装組織「La Barredora」とは
La Barredoraは主にTabasco州を拠点とする麻薬取引や燃料の盗取、武装活動を展開する違法武装組織であり、複数の他組織と連携して広域犯罪に関与してきた。政府関係者の説明によれば、同組織は地元警察や公共機関にまで浸透し、地域社会の不安定化に大きく寄与しているとされている。
特に2024年に入り、同州では治安悪化が深刻化し、地元の新聞「Diario Presente」によれば、2023年の253件から2024年には892件へと殺人件数が3倍以上に増加した。この背景にある中心人物が今回逮捕されたUlises “N”である。
組織幹部の足取りと逮捕の詳細
SSPCの発表によれば、Ulises “N”はJalisco州の複数の場所で潜伏していたが、Los Gavilanes地区で身柄を確認し、Semar(海軍省)、SEDENA(国防省)、Fiscalía General de la República(共和国検察庁)との連携により逮捕に至った。現場ではUlises “N”の護衛を務めていたとみられるもう一人の男も拘束されている。
同氏には組織的犯罪への関与による逮捕状が出ており、他にも以下の複数の重罪で調査対象となっている。
- 麻薬の密輸
- 燃料の盗取(huachicol)
- 身代金目的の誘拐
- 地元企業に対する脅迫的な“保護料”徴収
- 他組織との同盟による抗争激化
治安当局はUlises “N”の行動範囲と潜伏先を特定するため、長期にわたる追跡と通信傍受、金融調査を通じて情報収集を行ってきた。
元治安長官との癒着疑惑、政界にも波及
今回の事件が注目される理由の一つは、Ulises “N”の背後関係にTabasco州の元治安長官であるHernán Bermúdez Requenaの存在がある点である。2024年時点で連邦当局は、Bermúdez Requenaが「La Barredora」と癒着していた疑いを強めており、同人物にはInterpol(国際刑事警察機構)による国際手配が出されている。
Bermúdez Requenaは2019年から2024年までTabasco州の治安政策を指揮しており、その任命者はAdán Augusto López元州知事である。Adán氏は2021年から2023年まで内務大臣(Secretario de Gobernación)を務め、現在は与党Morenaの上院議員団を率いている。
この人事関係に対し、野党や市民団体からは「政府内に組織犯罪との連携があった可能性」を問題視する声が上がっており、治安機関や政治構造の透明性に対する信頼が揺らいでいる。
現職大統領のClaudia Sheinbaumはこの件に対して「誰であっても庇わない」と明言し、すでに関連の捜査資料(carpeta de investigación)が開かれていると述べた。
地域の治安回復への期待と課題
Omar García Harfuch長官は、自身のXアカウントにて「今回の逮捕によりTabasco州を中心とした地域の治安回復が期待できる」としながらも、同組織の解体はまだ途中であると警戒を促している。
地元メディア「Tabasco Hoy」によれば、「La Barredora」は依然として州内の複数の市町村で活動基盤を持っており、財政力や武器の流通を背景に今後も抗争が起きる可能性がある。
加えて、公共機関との癒着や市民への威嚇が日常的に行われていた事例も報告されており、長期的な視点での司法改革と地域治安機関の再建が求められている。

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