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デジタル決済未導入が生む商業機会4484億ドル、Mastercardが報告
Mastercardは2025年4月、América Latina(ラテンアメリカ)とCaribe(カリブ海地域)およびEstados Unidos(アメリカ合衆国)における中小商業店舗の決済手段について調査した結果、約448,400 million dólares(4,484億ドル)の商業機会が存在するとする報告書を発表した。
中小商業の決済手段における現状と機会
報告書は、11カ国の約1,200万の「comercios tradicionales(伝統的商業)」、すなわち小規模なtiendas de abarrotes(食料雑貨店)やbienes de consumo envasados(包装消費財)などを対象としている。これらの商業施設の年間小売売上はおよそ362,000 million dólares(3,620億ドル)にのぼり、そのうち約43%が現金で処理されているという。
現金決済分だけでも155,000 million dólares(1,550億ドル)の市場がデジタル決済に置き換え可能であり、これが「digitalización de pagos(決済のデジタル化)」の第一の機会であると報告されている。
事業者間決済における潜在的転換市場
さらに報告書は、tiendas pequeñas(小規模商業店舗)とそのproveedores(供給業者)間の決済において、約90%が現金、cheques(小切手)、transferencias tradicionales(従来型の銀行振込)で行われていると指摘している。これにより、追加で293,400 million dólares(2,934億ドル)相当のデジタル化の機会が存在するとしている。
これらの数値を合計すると、現金決済市場のデジタル化による潜在的機会は448,400 million dólaresに達し、Mastercardはこの規模の市場転換が地域全体のinclusión financiera(金融包摂)とeficiencias operativas(運用効率向上)を大きく推進すると見ている。
デジタル化を阻む課題とフィンテック連携の可能性
同報告書はまた、小規模商業店舗が抱える課題にも触れている。特に現金依存がもたらす影響として、以下のような点が挙げられている。
- formalización(制度的な金融参加)からの除外
- acceso limitado al crédito(信用供与へのアクセス制限)
- expansión del negocio(事業拡大)機会の制限
これに対し、フィンテック(Fintech)企業との協働による「crédito integrado(統合型信用供与)」や「pagos digitales instantáneos(即時デジタル決済)」といった新たなサービスが有効であると分析している。
また、commerce conversacional(会話型商取引)やe-commerce platforms especializadas(専門的な電子商取引プラットフォーム)によって、仕入れもオンラインで行えるようになり、現金取引の必要性が減少している。
地域別の傾向とメキシコへの示唆
報告書では、特にMéxico(メキシコ)、Brasil(ブラジル)、Colombia(コロンビア)において、伝統的商業の割合が高いとされており、これらの国々では決済手段の近代化による波及効果が顕著であるとされている。
メキシコ国内でも、Instituto Nacional de Estadística y Geografía(INEGI:国家統計地理情報院)の調査によれば、2023年時点で約64%の小規模商業が現金のみを受け入れており、デジタル決済の導入率は都市部と地方で大きく乖離している。
このような現状を踏まえ、Mastercardは各国政府と協調した政策支援やフィンテックとの連携が「ecosistema digital de pagos(決済のデジタルエコシステム)」構築の鍵であると提言している。

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