
爆発により6人の軍関係者が死亡、2人が重傷
2025年5月28日、Jalisco州とMichoacán州の州境に位置するCotijaとJilotlánの間で、軍のパトロール車両が爆発に巻き込まれ、6人の軍関係者が死亡、2人が負傷した。爆発は、犯罪組織によって仕掛けられたとされる即席爆発装置(mina artesanal:手製地雷)によるものであるとみられている。
地元メディアReformaによると、死亡したのはGuardia Nacional(Guardia Nacional:国家防衛隊)の士官2名および兵士4名で、負傷者2名はヘリコプターで病院に搬送され、重体となっている。事件が発生した地域は、Cártel Jalisco Nueva Generación(CJNG:ハリスコ新世代カルテル)が勢力を拡大しようとしている紛争地帯であり、他の地元犯罪組織との間で激しい抗争が続いている。
爆発が発生したのは、軍部隊が未舗装の山道をパトロール中であり、車両が通過するタイミングで爆弾が爆発したと見られている。一部の報道では、爆発前に軍が武装グループと交戦状態にあったことも指摘されており、爆発装置はその最中に意図的に起爆された可能性があるという。
CJNGが支配を狙う地域での軍事衝突
今回の爆発が発生したCotijaとJilotlán周辺は、過去数年にわたりCJNGが影響力を強めようとしてきた地域である。CJNGはメキシコで最も危険な麻薬カルテルの一つであり、特にJalisco州を本拠とし、他州にも活動を広げている。
この地域では、CJNGと他の地元系グループ(たとえば「Los Viagras」など)との間で継続的な武力衝突が報告されており、軍や連邦警察が何度も治安維持のために派遣されている。地元報道機関によれば、今回の事件もCJNGと敵対するグループの動きを監視する任務中に発生したという。
また、最近の傾向として、麻薬組織が即席地雷を道路に設置する事例が増えており、今回もその一例とされている。これらの地雷は、商業用爆薬や農業用化学品を転用して作られることが多く、非常に危険であるとされる。
治安内閣は発表控えるも、連邦軍が大規模展開
本件に関して、2025年5月29日現在、Gabinete de Seguridad(Gabinete de Seguridad:治安内閣)からの公式発表は行われていない。しかし、地元住民の証言によれば、事件後ただちにSedena(Secretaría de la Defensa Nacional:国防省)とGuardia Nacionalの部隊が大量に展開され、地域の封鎖と掃討作戦を開始した。
また、主要道路や橋梁は軍により一時的に閉鎖され、通行制限が設けられている。近隣の学校では休校措置が取られ、市民の間には不安が広がっている。地方メディアEl Universalの報道では、現地における軍の活動は「封じ込めと報復の双方を意図したもの」と見られている。
一方で、政府高官や治安当局が沈黙を守る背景には、事態の全容がまだ解明されていないことや、組織犯罪への対応方針を慎重に見極めていることがあるとされる。
地雷戦術と武装カルテルの進化が治安維持を困難に
近年、メキシコの麻薬組織は地雷や爆発物などの非対称戦術を採用しつつあり、これが治安機関にとって新たな脅威となっている。mina artesanal(手製地雷)は、その製造や設置が比較的容易でありながら、車両破壊や人命損失をもたらす強力な兵器として使用されている。
国際的な治安専門家によると、こうした装置の使用は中南米の武装ゲリラなどでも見られてきたが、メキシコ国内におけるカルテルの戦術としては新たな段階にあるとされる。CJNGはドローン、地雷、遠隔操作爆弾などを積極的に取り入れており、政府はこれに対抗するための技術と訓練の強化を迫られている。
加えて、今回のような被害が続くことで、国民の間でも軍の安全性や治安政策に対する懸念が広がるとみられており、今後の政府対応が注視されている。

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