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Infonavitが子会社設立、50万戸の住宅建設計画を始動
Instituto del Fondo Nacional de la Vivienda para los Trabajadores(全国労働者住宅基金機構、以下「Infonavit」)は、2024年3月に新たな子会社「Infonavit Constructora SA de CV」を商法上設立し、今後の政権期間中に50万戸の住宅を建設する計画を明らかにした。対象となるのは、主に1〜2サラリオス・ミニモス(salarios mínimos:最低賃金)を得る労働者層である。
この子会社は、Ley del Infonavit(Infonavit法)の第3条改正を受けて正式に設立されたものであり、同機構によると「事業機動性を高め、柔軟な執行体制を構築する」ことが狙いとされている。
子会社は営利法人として設立、透明性への指摘も
Infonavit Constructoraは、legislación mercantil(商法)に基づいて設立された法人であり、そのためentidad paraestatal(準政府機関)とは見なされない。Infonavitはこの形式が、柔軟な契約・調達・運営を可能にするメリットを強調する。
一方で、この構造に対しては、議会審議の段階から透明性の観点で懸念が示されていた。特に、営利法人であることから、説明責任や公的監視の確保が求められるとして、議論を呼んだ。
この点についてInfonavitは、同法人がInfonavitの公共目的と社会政策に従い、「合法性、誠実さ、効率性、透明性、節約、腐敗防止の原則」に基づいて運営されると説明している。
2024年内に7.5万戸を建設、初弾は2万戸から開始
同機構は、すでに153か所・470ヘクタール分の建設用地を確保済みであり、2024年内にそのうち75,000戸の建設を見込んでいる。特に4月からは2万戸の建設を開始する計画が公表されている。
この事業は、低所得層に適切な住宅が不足している「rezago habitacional(住宅遅延問題)」に対応するものとされ、過去に住宅市場から取り残されてきた層への供給が目指される。住宅は、立地と基礎インフラ(道路、水道、電力等)を備えたものが建設条件とされている。
またInfonavitは、民間の住宅開発業者との協力にも積極的で、すでに複数の建設会社と会合を重ねており、同様の品質・規模・価格での供給を求めている。
市場環境と資金制約が課題、民間評価にも注目
この新構想に対して、格付け機関Moody’sは3月のレポートにて「principios sociales obligatorios(義務化された社会的原則)」の存在が、Infonavitおよびその子会社の収益性に制約をもたらす可能性があると指摘している。
さらに、建設資材の価格高騰、限定的な銀行融資、および資本市場へのアクセス制限が、民間業者だけでなくInfonavit Constructoraにも影響を与える懸念がある。
レポートでは「Infonavitの子会社は、公的住宅政策の推進役となり、住宅供給のギャップを埋める立場を担う」とされる一方、経済的持続可能性の確保が重要な課題となることも示されている。

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