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米国、メキシコ製品に25%の関税を発動—経済影響は?
Donald Trump米大統領は2025年3月4日、メキシコからの輸入品に25%の関税を適用する大統領令に署名した。この措置により、メキシコの輸出産業が大きな打撃を受けると見られている。
また、同日Secretaría de Economía(経済省)は、この関税措置への対応として「Plan A、Plan B、Plan C」の準備を進めていると発表したが、詳細は明かされていない。
関税適用の背景—米国の貿易戦略と対中政策の影響
トランプ政権の関税措置は、単なるメキシコへの対抗策ではなく、中国との貿易摩擦とも関係している。Trump大統領は、中国政府が米国への違法薬物(特にフェンタニル)の流通を阻止していないと批判し、同時に中国製品に対しても20%の関税を課すことを決定した。
さらに、米国の関税政策は、メキシコの製造業が中国企業の「nearshoring(ニアショアリング)」の受け皿となっていることにも起因している。米国にとって、メキシコを経由して米国市場に参入する中国企業を制限する狙いがあると考えられる。
メキシコ経済への影響—最も打撃を受ける産業と州は?
今回の関税措置は、メキシコの輸出産業に大きな影響を与える。Banco Baseの分析によると、特に影響を受けるのは以下の州である。
- Chihuahua(輸出額が州GDPの144.6%に相当)
- Coahuila(111.2%)
- Baja California(97.8%)
- Tamaulipas(83.2%)
- Campeche(80.1%)
また、影響が大きい業種について、El FinancieroのEnrique Quintana編集長は以下のように指摘している。
- 農産品・食品業界—メキシコの農産品は米国市場での競争力が高いため、関税適用により価格競争力が低下する。
- 自動車産業—メキシコの輸出の大部分を占めるが、関税による価格上昇で競争力が低下し、autopartes(自動車部品)業界にも波及する。
- 電子機器・半導体—メキシコは電子機器の主要輸出国であり、特にチップやコンピュータ部品が影響を受ける。
メキシコ政府の対応—Claudia Sheinbaum大統領の戦略は?
Claudia Sheinbaum大統領は、関税措置に対して「計画的な対応を準備している」と述べたが、具体的な政策は発表されていない。しかし、米国との交渉の一環として、以下の対応が進められていると考えられる。
- 国境での治安対策強化—トランプ政権の要請を受け、メキシコはGuardia Nacional(国家警備隊)を増派して不法移民対策を強化。
- 対米輸出戦略の見直し—新たな貿易協定の締結や、他国市場への輸出シフトを検討。
- 投資誘致の強化—中国企業のニアショアリングを活用し、国内製造業を強化する方針。
また、米国との関係改善のために、メキシコ政府は最近Rafael Caro Quintero(麻薬カルテルのリーダー)を含む28人の犯罪者を米国に引き渡しており、安全保障分野での協力も進めている。

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