
メキシコ賃金増加の背景
2018年から2024年にかけて、メキシコの最低賃金は100%以上上昇し、近年の経済政策の大きな変革となった。Andrés Manuel López Obrador政権において賃金は2019年から大幅に引き上げられ、2023年および2024年には日給が248.9ペソに達している。これにより、最低賃金で生活する労働者数も大幅に増加している。
賃金の上昇は、経済的に困難な状況にあった多くの国民にとって救いとなり、数百万人の人々が貧困から脱する効果を生んだとされている。しかし、同時に賃金の増加はインフレと雇用状況にリスクをもたらしている。
インフレと雇用への影響
最低賃金の引き上げによって賃金の購買力が向上した一方で、消費の増加に伴って商品価格の上昇、すなわちインフレが進んでいる。CIBancoの経済分析副部長であるJames Salazar氏によると、賃金上昇は短期的な解決策であり、中期的なインフレリスクや雇用への影響が考慮されるべきだと指摘している。
特に企業は賃金増加により人件費の負担が増し、新たな雇用創出が抑制される可能性がある。また、商品価格の上昇は購買力を低下させ、賃金上昇の恩恵が薄れるリスクもある。
2024年8月の時点で、22,735,532人が最低賃金で働いていると報告されており、性別や業界別に雇用の状況は異なる。また、近年はCovid-19パンデミックやロシアとウクライナの戦争などの国際的な要因も、商品価格やインフレの増加に影響を与えている。
地域ごとの賃金と雇用状況
北部地域の工業セクターは、nearshoring(生産拠点の移転)により投資が活発化し、雇用が増加傾向にある。2024年には北部で517,625件の新しい雇用が創出された。一方で、南部地域の雇用は限定的で、農業や観光業に依存しているため、北部ほどの成長は見られない。
特に、北部地域のAguascalientes、Chihuahua、Coahuila、Nuevo León、Tamaulipasの各州での製造業の成長が雇用を支えており、近年の賃金上昇とインフレが相まって、地域ごとに経済格差が拡大している。

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