
2025年7月22日、メキシコペソは、米国との通商交渉やドル軟化を背景に対ドルで3日連続上昇した。
メキシコペソが3日連続の上昇、対ドルで0.63%高
メキシコペソは、2025年7月22日(火)の取引において、対米ドルで3日連続の上昇を記録した。Banco de México(メキシコ銀行)のデータによれば、同日の終値は1ドル=18.6383ペソとなり、前日終値の18.6617ペソから2.34センターボの上昇、変動率にして0.13%の値上がりとなった。
今回の上昇により、ペソは前週木曜(18.7569ペソ)から合計で11.86センターボ(0.63%)の上昇幅を記録した。為替市場では、米国の経済先行きへの不透明感や、主要通貨に対するドル安傾向が継続していることが背景とされている。
取引レンジは、1ドル=18.5868〜18.7008ペソの間で推移した。Intercontinental Exchangeが算出するドル指数(DXY)は、主要6通貨に対して0.48%下落し97.38ポイントとなっており、ドルの相対的な弱含みを示している。
米中通商交渉を控えたドル安とメキシコペソの連動
市場参加者の注目は、アメリカと中国との通商交渉に集まっている。米国のScott Bessent財務長官(Secretario del Tesoro de Estados Unidos)は、翌週スウェーデンのストックホルムにて中国の財務当局者と会談を行う予定であると発表した。この会談では、8月1日を期限とする新たな関税適用の延期についても議論される見通しである。
Banamexの市場アナリストは、クライアント向けのノートにて、「アメリカの例外主義(exceptionalismo estadounidense)に対する信頼低下により、ドルは予想以上に下落している。この動きは、メキシコペソを含む主要通貨の対ドル上昇を後押ししている」と指摘している。
こうした状況下で、投資家の間ではリスク回避の動きが一部後退し、新興国通貨への資金流入が継続しているとみられる。
メキシコ国内の経済指標もペソを支援
為替市場におけるメキシコペソの上昇は、国外要因のみならず、国内経済指標の動向にも支えられている。特に、小売売上の好調が相場にポジティブな影響を与えた。
INEGI(Instituto Nacional de Estadística y Geografía:国家統計地理情報院)が発表した2025年5月の小売売上高は、予想を上回る伸びを記録。具体的な伸び率は公表されていないが、複数の地元金融機関によれば、季節調整済みの前月比で1.1〜1.3%程度の成長が見込まれていた。
一方で、同月のIndicador Global de la Actividad Económica(IGAE:経済活動全体指標)は前年同月比で0.4%の増加にとどまり、経済成長の鈍化を示唆している。このため、投資家は今後のインフレ動向や中央銀行の金融政策に注目している。
Monexのアナリストは、「小売売上が好調だった一方で、IGAEは低調な結果となった。だが、全体としてペソ相場は国内データによって下支えされた」と述べた。
7月インフレ報告への市場の注目が高まる
為替市場では今後、2025年7月前半のインフレ率に関するINEGIの報告が重要視されている。このインフレデータは翌日(7月23日)に発表予定であり、Banco de Méxicoの利下げ判断や金融政策の見通しに影響を与える可能性がある。
現在、市場では年内に1回以上の利下げがあるとの観測もあり、インフレ動向はその判断材料として重要視されている。もしインフレ率が予想以上に鈍化すれば、ペソ相場に下押し圧力がかかる可能性も否定できない。
このように、ペソの為替レートは、米中通商交渉やドルの動向といった外的要因と、メキシコ国内の経済指標の両面から影響を受けており、今後の展開には引き続き注視が必要である。

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