メキシコにおける労働災害は、止むを得ないものと捉えられてきたが、Instituto Mexicano del Seguro Social(IMSS、メキシコ社会保険機構)の最新の統計によれば、過去一年間で352,461件の労働災害が発生している。驚くべきことに、その36%、つまり約127,000件もの災害が特定の10の業種で発生している。
事故の大部分は、支援業務や倉庫管理などの一般的に危険とは考えられない業種で発生している。一方で、高所作業や化学物質を扱う仕事など、明らかに危険とされる業種では、安全対策が徹底されているため、事故発生率が低い。
この状況を分析するEloisa Añorve氏は、一般的に危険と認識されない業種の労働環境における「無秩序」が事故の原因として大きいと指摘する。さらに、Javier Díaz氏は、商業施設などの「制御できない」環境での労働が事故の多発に寄与していると分析している。
業界別の事故発生率を見ると、製造業が最も高く、95,728件の事故が発生している。次いで、商業業界で88,278件、サービス業で70,278件の事故が発生している。
安全対策の実施に関しては、労働者の意識が鍵を握る。BTS consultingは、労働者の心の中の「罠」と呼ばれる認識の歪みが、安全対策の実施を妨げていると指摘している。具体的には、過去の成功体験や他人の責任と考える傾向、短期的な結果重視の考え方、変化や挑戦に対する懐疑的な態度などが挙げられる。
これらの「心の罠」を乗り越え、労働者一人一人が安全意識を持ち、安全対策を徹底することが、事故を減少させる鍵となる。労働災害の発生は、企業の業績や生産性にも大きな影響を及ぼす。事故による労働者の欠勤は、特に中小企業にとっては大きな打撃となる。安全対策の重要性は、これまで以上に認識されるべきである。


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