
アルミニウム・鉄鋼への関税がメキシコ経済に深刻な影響
2025年2月10日、米国のドナルド・トランプ大統領は、アルミニウム(aluminio)と鉄鋼(acero)の輸入に対し25%の関税(arancel)を課す大統領令を発表した。この措置は3月12日から施行され、メキシコの対米輸出に約22,533百万ドルの影響を及ぼすと推定されている。メキシコの競争力を研究する政府機関であるメキシコ競争力研究所(Instituto Mexicano para la Competitividad、IMCO)は、この関税がメキシコの総輸出の4.7%に影響を与え、2024年の国内総生産(PIB)の1.5%以上に相当すると分析している。
自動車産業への影響
IMCOの分析によれば、関税の影響は特に自動車産業に集中している。大統領令の付属文書であるプロクラム10895号では、アルミニウム製品に関する123の関税分類が示されており、そのうち68が自動車部品や製造に必要な重要なコンポーネントに該当する。2024年には、これらの製品の対米輸出額は200億ドルを超え、メキシコの総輸出の3.91%を占めていた。特に、車両やトラックの車体部品やアクセサリーを含む関税分類では、2024年に米国への輸出額が7,719百万ドルに達している。
この関税措置は、Nuevo León州、Guanajuato州、Coahuila州など、自動車産業が主要な経済基盤となっている11の州に深刻な影響を及ぼす可能性がある。これらの地域では、雇用や経済活動が大きく損なわれるリスクが高まっている。
メキシコ政府の対応と戦略
メキシコ政府は、これらの関税措置に対抗するため、以下の戦略を提案している。
- T-MEC(Tratado entre México, Estados Unidos y Canadá、メキシコ・アメリカ・カナダ協定)の原則を擁護し、戦略的パートナーとの商業関係を強化する。
- 米国議会や産業界からの支援を求める。
- ホワイトハウスや商務省との対話を促進する。
- カナダと協力し、共同で対応策を講じる。
- メキシコの消費者への影響を最小限に抑えるため、戦略的な報復関税を準備する。
- 輸出依存度を低減するため、国内産業を強化する。
これらの対策は、メキシコ経済への影響を緩和し、米国との建設的な対話を通じて解決策を見出すことを目的としている。
今後の展望と懸念
関税の施行日が近づく中、メキシコの産業界や商業セクターでは不安が高まっている。IMCOの分析によれば、今回の関税措置は2018年にトランプ大統領が初めて同様の措置を講じた際の影響を大きく上回る可能性がある。特に、アルミニウム製品の輸出に対する影響が顕著であり、メキシコの製造業全体に波及効果をもたらすと予測されている。
さらに、トランプ大統領は自動車、医薬品、半導体などの重要なセクターに対する追加的な関税措置を4月2日から実施すると発表しており、これらの新たな関税はメキシコ経済にさらなる打撃を与える可能性がある。メキシコ政府と産業界は、これらの課題に対処するため、国内外のパートナーと協力し、効果的な対応策を講じる必要がある。

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