
Tepitoの移民アルベルゲ巡る対立激化
2025年5月23日、Ciudad de MéxicoのCuauhtémoc区にあるPeralvillo 75番地で、移民用アルベルゲ(albergue:避難所)の建設を巡り、地元住民、野党政治家、そして政府関係者との間で激しい対立が発生した。旧 Escuela Libre de Medicina Homeopáticaの敷地に移民用の施設を建設する計画を巡って、物理的な衝突も発生し、1名の連邦議員が負傷した。
地元の反発とアルベルゲ建設の背景
かつて教育施設や病院として使われていたPeralvillo 75番地の建物は、長年使用されていなかった。Ciudad de México政府(Gobierno de la Ciudad de México)はこの建物を移民向けのアルベルゲに転用する計画を進めていたが、これに対し、地元住民やCuauhtémoc区の区長Alessandra Rojo de la Vegaが強く反発。2025年5月12日には同地区で抗議活動が行われた。
区長はSNSで「地元や区に一切相談なしに閉鎖され、手術設備まで撤去された」と述べ、透明性の欠如を批判した。一方、政府は「すでに教育許可は失効しており、施設の使用も非合法状態だった」と説明したが、地域社会の不信感は根強い。
この建物は、かつてEscuela Libre de Medicina Homeopáticaとして使用されていたが、Secretaría de Educación Pública(教育省)によって閉鎖されていた。また、同様の反対運動はAzcapotzalco区Nueva Santa María地区でも確認され、政府は当初予定していたEl Muralでのアルベルゲ計画を中止し、代替として今回の場所を選定していた。
政府の説明と建設の法的根拠
Ciudad de México政府のCésar Cravioto事務長官(Secretario de Gobierno de la Ciudad de México)は、「敷地は違法に占拠されていた状態で、正規の教育・医療活動は行われていなかった」と説明。政府と所有者である民間法人との間で交わされた協定により、敷地の一部を公共目的に使用することが正式に合意されたと強調した。
Cravioto氏は5月14日の記者会見で、「すでに近隣には1カ所の移民アルベルゲが存在しており、運営に支障は出ていない」とも述べ、今回の新施設も衛生・治安基準を満たした上で開設される予定だと説明した。
加えて、市政府は国際機関との協力のもと、移民への人道的対応を強化する方針を堅持しており、ACNUR(Alto Comisionado de las Naciones Unidas para los Refugiados:国連難民高等弁務官事務所)と連携し、制度的な支援を強化している。
衝突の発生と連邦議員の負傷
2025年5月23日、Peralvillo 75番地の施設前で行われていた抗議行動が警察の介入により混乱へと発展。PRI所属の連邦議員Mónica Elizabeth Sandoval Hernández氏も現場に訪れ、施設封鎖への抗議を試みていたが、衝突の際に頭部および脚部を強打し、病院に搬送された。
医師の診断によると、同議員は「多発性打撲」「頭部浮腫」「大腿筋断裂」などの重傷を負い、CTスキャンと入院加療が必要とされた。議員側は「公共空間での正当な抗議行動に対し過剰な実力行使が行われた」と非難している。
一方、Ciudad de México政府はこの行動を「施設への不法侵入」と見なし、法的措置を取る意向を示した。Cravioto氏は「公共財産の無断使用は法律に違反する行為であり、議員といえども法に従うべき」と述べた。
政策の進展と地域との軋轢
市政府によれば、2024年にはCiudad de México内で路上生活をしていた移民の数は約3,000人にのぼったが、2025年5月時点では450人にまで減少したという。この背景には、既存のアルベルゲの整備と中南米諸国との再送還協定、そして一部移民が自発的に帰国したことがある。
Gobierno de MéxicoはCiudad de Méxicoを「ciudad santuario(庇護都市)」として位置付け、排除ではなく受け入れによる共生を目指している。Cravioto氏は、「移民が地域の安全を脅かす」という一部住民の発言を「xenofobia(外国人嫌悪)」と強く批判し、ACNURとの協定に基づく啓発活動も進めている。
ただし、地域社会における治安や住環境の変化に対する不安は依然として存在し、施設建設のプロセスにおいて住民の意見を反映させる協議の場が求められている。今後、地元住民との協調や説明責任の履行が、移民政策の円滑な実施に不可欠であるとみられる。

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