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メキシコの輸入が増加、ガス需要過去最高

Natural gas facility in Mexico
写真は、イメージ

2025年1〜4月にメキシコが米国から輸入するガスが2.7%増加し過去最高の6,261mmpcdに達した。

メキシコ輸入とガス需要過去最高記録


2025年1月から4月にかけて、メキシコによるアメリカ合衆国産天然ガスの輸入量が前年同期比2.7%増の6,261百万立方フィート/日(mmpcd)となり、過去最高記録を更新した。これはアメリカ合衆国の政府機関であるEIA(Administración de Información de Energía、エネルギー情報局)の統計によるものであり、メキシコのガス需要の高まりを反映している。

この記録的な輸入量の背景には、メキシコ国内でのガス需要の増加がある。2024年にはメキシコ国内の天然ガス需要の74.6%が主にアメリカ合衆国からの輸入で賄われ、平均需要量8,700mmpcdの中で大半を占めた。この割合は2014年の39.7%から約35ポイントの増加であり、外国依存度が顕著に上昇した。

また、電力部門における需要も過去最高に達し、67.2%が天然ガスで供給され、その量は約5,850mmpcdにのぼった。2014年にはこの割合は48.5%であったため、電力用途でのガス依存が急速に進展していることが明らかである。

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生産減少が輸入増加を加速


輸入増加の一因として、国内生産の低迷がある。特に国営企業Petróleos Mexicanos(Pemex、メキシコ石油公社)の天然ガス生産量は減少を続けており、2025年1月から5月までの平均生産量は3,534mmpcdと、前年同期比6.3%減となった。2024年同期の減少幅も8.9%であり、Pemexの生産力の低下が構造的課題として続いている。

この減産の背景には、古い油田・ガス田の自然減衰と、新規坑井の開発・完成の遅れがある。現在のPemexの生産は、2024年11月に現政権が策定した「Estrategia Nacional del Sector Hidrocarburos y Gas Natural(国家炭化水素・天然ガス戦略)」における目標値4,163mmpcdを15%下回っており、2027年に4,700mmpcd超の水準を目指す回復計画の遅れが懸念されている。

米国輸出市場におけるメキシコの地位変化


米国にとってメキシコは引き続き最大の天然ガス輸出先であるが、米国の市場多様化も進んでいる。2025年1〜4月における米国の総輸出量のうち、メキシコ向けは26.3%を占めた。これは前年同期の28.7%から低下しており、欧州市場の急成長が一因とされる。

欧州諸国の輸入は特に顕著で、フランスは1,974mmpcd(前年比+34.8%)、イギリス1,501mmpcd(+84.6%)、トルコ1,323mmpcd(+111%)、スペイン1,301mmpcd(+84.9%)、イタリア872mmpcd(+72.9%)、ポーランド744mmpcd(+276%)と大幅に増加した。これらの国々は米国からLNG(液化天然ガス)として輸入しており、ロシア依存低下の一環として取引を拡大している。

一方、カナダへの米国産ガス輸出は3,094mmpcdで前年比5.9%減少した。米国の市場多様化はメキシコのシェア低下につながっており、中長期的には価格競争力への影響も予想される。

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天然ガス需要と輸入依存の持続的傾向


地元メディアの報道によれば、メキシコは2011年以降、2022年を除き、毎年天然ガスの輸入を増加させてきた。これはPemexによる国内生産の減少が続いてきたことが背景にある。

天然ガスは「燃料の移行期におけるエネルギー」と位置付けられており、石炭・石油製品よりも温室効果ガスの排出が少ないことから、メキシコの電力セクターで活用が進められている。しかし、今後も国内生産低迷が続けば、輸入依存の深刻化と価格変動リスクの増大が予想される。

現政権は国家炭化水素・天然ガス戦略に基づき、Pemexの生産回復を掲げているが、現状では計画目標に対し大幅な遅れが生じており、次期政権でのさらなる支援政策の有無が焦点となっている。

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