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Pemex、垂直統合の一環で2964人の信頼職を削減
Petróleos Mexicanos(メキシコ石油公社、以下Pemex)は、2025年までに垂直統合戦略を加速する中で、少なくとも2964人の信頼職(puestos de confianza:管理職などの非組合職)を解雇する方針を内部文書で示した。この措置により、約104億9400万ペソ(約1049億円)の人件費削減を見込んでいる。
地元メディアEl Financieroが入手した内部資料によれば、これらの削減は「構造改革の副作用」とされ、従業員のうち組合員(trabajadores sindicalizados)は対象外となる。現在Pemexでは、信頼職に対して年間3万7331百万ペソの予算が計上されており、削減後には28.11%の節約が可能になると試算されている。
この再構築は、2024年3月18日に発効したエネルギー分野の補足立法に基づいており、Pemex全体を統合的に管理し直す「垂直統合」戦略の一環として実施される。
統合戦略により削減される構造と新設部門
再構築の中核は、Pemex内部の階層的構造の簡素化にある。削減対象となるのは以下のような管理層である。
- Dirección(本部局) 1件削減
- Subdirección(副本部局)10件削減
- Coordinación(調整局)7件削減
- Gerencia(部門管理)34件削減
一方で、組織の最適化を図るために以下の部門が新設される:
- Dirección 1件新設
- Subdirección 5件新設
- Unidad(ユニット)1件新設
- Coordinación 2件新設
- Gerencia 17件新設
また、6件のSubdirección、3件のCoordinación、33件のGerenciaが他部門に移管されるとともに、さらに2件のエリア、2件のSubdirección、5件のGerenciaが完全に削減される。
これにより、意思決定の迅速化や作業効率の向上を図るとともに、コスト削減を実現する狙いがある。
人件費・出張費などで総額180億円超の削減目標
Pemexは、今回の再構築によって、総額1万8560百万ペソ(約1856億円)の削減を目指している。内訳は以下のとおりである。
1. 統合による業務効率化:5,243百万ペソ
業務フローと部門の機能分析に基づいた統合設計により、約524億3000万円の削減が可能と試算されている。
2. 生産性の向上による削減:5,251百万ペソ
具体的には、以下のような施策が含まれる。
- 3,114人の信頼職削減(3,522百万ペソ)
- Cobertura(カバレッジ契約:価格変動リスクを回避する保険契約)の拡大(300百万ペソ)
- Sindicato de Trabajadores Petroleros(メキシコ石油労働組合)との協議によるイベント削減(38百万ペソ)
- 出張費(viáticos)削減(1,017百万ペソ)
- 時間外勤務費(174.5百万ペソ)
- 危険業務にかかる費用(199百万ペソ)
3. 連邦予算に基づく緊縮政策:8,066百万ペソ
Presupuesto de Egresos de la Federación(PEF:連邦歳出予算)に基づき、次のようなコスト削減を実行:
- 一時的なCobertura契約の実施(6,766百万ペソ)
- 労働組合員による一時雇用部門の未充足ポスト削減(1,300百万ペソ)
これらの計画は2025年度の予算案にもすでに反映されており、実行段階に入っている。
組合員保護と信頼職削減の方針の背景
Pemexが解雇対象を信頼職に限定している背景には、Sindicato de Trabajadores Petrolerosとの協定の存在と、政治的配慮があると見られる。組合員に対しては雇用を「100%尊重する」との文言が資料に明記されており、労使間の安定を優先している。
一方、信頼職については労働契約が限定的であり、再配置や配置転換が容易なことから、組織再編の柔軟性確保の観点から対象となった。
また、Pemexが採用する「integración vertical(垂直統合)」とは、原油の採掘から精製、販売までを一元化し効率を高める経営モデルであり、現在までに世界各国の大手石油会社が導入してきた手法である。

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