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麻薬資金と制裁措置、Sinaloa構成員に米政府制裁

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写真: Expansion

米財務省、Sinaloa構成員に資金洗浄容疑で制裁発動



2025年3月25日、米国政府はSinaloa Cartel(シナロア・カルテル)に関与する6人の個人と7つの企業に対し、資金洗浄(lavado de dinero)を理由に制裁を発表した。これは、Departamento del Tesoro de los Estados Unidos(米国財務省)傘下のOficina de Control de Activos Extranjeros(外国資産管理局、以下OFAC)による措置である。

財務省によれば、制裁対象となった人物は、主に米国からメキシコへ麻薬取引によって得た現金を不正に還流させていた疑いがあり、「Sinaloa Cartelの資金的支柱」と表現された。また、制裁発表にあわせて、Red de Control de Delitos Financieros(金融犯罪取締網、FinCEN)も警告を発し、金融機関に対し多額の現金移動に対する警戒を強化するよう求めた。

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「El Chapo」子息グループが関与、ドルとペソの交換で資金移動



制裁対象には、かつての大物麻薬王Joaquín “El Chapo” Guzmánの子息グループ「Los Chapitos(ロス・チャピートス)」とIsmael “El Mayo” Zambadaの一派が含まれている。中心人物の一人、Enrique Dann Esparragoza Rosasは、2023年4月以降に少なくとも1,650万ドル(約2億7,000万ペソ相当)をメキシコに還流させたとされる。

彼は、米国で得た麻薬収益を、複数の換金業者を通じてドルからペソに交換し、実体の不明な企業に送金するという手法を用いていた。この「換金スキーム」は、カルテル内でも特に信頼される構成員のみに任される業務であり、金融の専門知識と組織力が求められるという。

OFACは、「Sinaloa Cartelの麻薬ビジネスは、こうした“資金の再注入”により継続可能になっている」とし、今回の制裁はその中心にいる人物たちを狙ったと述べている。

企業と関係者に拡大する制裁、計7社が対象に



今回制裁の対象となった企業は、以下の7社である:

  • Scatman y Hatman Corp S.A.P.I.
  • Personas Unidas Hoas S.A.P.I.
  • Grupo Zipfel de México S.A.
  • Grupo Unter Empresarial S.A.
  • Productions Pipo S. de R.L.
  • Grupo Vindende S.A.
  • Una empresa sin nombre, vinculada a Christian Noe Amador Valenzuela

これらの企業は表向きは正規の法人形態を取りながら、資金の出所を隠すための“empresas fachada(ダミー企業)”であるとされている。中でもAlberto David Benguiat Jiménezが率いる組織は、これまでに5,000万ドル以上を洗浄したと報じられており、その規模と手口の巧妙さが問題視されている。

また、Benguiatの協力者としてChristian Noe Amador Valenzuelaの名前も挙がっており、両者が金融ネットワークを通じて広域なマネーロンダリングを展開していたとされる。

殺害と強制徴収、暴力的資金集めの実態も浮上



米政府によれば、今回の制裁対象者の一人であるSalvador Díaz Rodríguezは、カルテルの名の下で「税金」と称して金銭を徴収し、支払いを拒否した者を殺害したとされる。また、Israel Daniel Paez Vargas、Alan Viramontes Sesteagaらも、Los Chapitosとの強い結びつきがある人物として特定された。

特にViramontes Sesteagaは、Iván Archivaldo Guzmán Salazar(El Chapoの息子)の直接の協力者であり、米国内における麻薬流通の一部を担っていたとされている。

OFACによると、こうした人物の活動により、麻薬密輸と暴力行為が資金面で支えられており、米国への薬物流入の“裏側”には精緻な金融操作が存在することが再認識された。

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制裁の影響と今後の対応、金融機関に警戒強化を要請



OFACの制裁により、対象者および企業が米国内に所有する資産や金融口座は全て凍結され、米国人によるあらゆる取引も禁止されることとなる。また、FinCENは米国内外の金融機関に対し、特定の送金経路や不審な現金移動に注意を払うよう警告を発した。

このような動きは、麻薬取引の資金ルートを断つことを目的としており、カルテルの収益源そのものを狙い撃ちにする制裁政策の一環である。財務省のScott Bessent長官は、「これは単なるマネーロンダリング摘発ではなく、Sinaloa Cartelの“narcoterrorismo(麻薬テロ)”ビジネスに対する打撃である」と述べた。

今後は、既存の取引先や企業ネットワークを対象に、さらなる制裁対象の拡大が検討される見通しであり、金融機関側のモニタリング体制の強化も求められる。

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