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労働環境と安全対策 STPSが休憩権と椅子規則を策定

Ley Silla Law in Mexico
The passing of ‘Ley Silla’ marks a new step in labor rights in Mexico

Secretaría del Trabajo y Previsión Social(労働社会保障省)が2025年7月、メキシコ国内の労働現場での長時間立ち作業に関する安全対策と休憩権の新ルールを発表し、健康被害防止のために事業所への詳細な義務を明確化した。

労働環境に対応した安全対策強化を結論として発表


Secretaría del Trabajo y Previsión Social(労働社会保障省、以下STPS)は2025年7月、長時間立ち作業を行う職場に対し、休憩権を含む「Ley Silla(椅子法)」の具体的適用ルールを定めた。主な目的は、立ち作業による健康リスクの予防である。

STPSによると、今回の規定は、連続して3時間以上立ち続ける作業に従事する労働者がいる事業所が対象。こうした事業所には、自社の作業実態を診断し、立ち作業を伴う業務の特定、座って実施可能な作業の見直し、作業スペースへの椅子設置の可否を確認することが求められる。

さらに、STPSは「安全衛生委員会による巡回記録を作成し、各労働者の立ち作業に関する労働リスクの特定と予防策を義務付ける」としており、メキシコ政府が長時間立ち作業による健康被害の予防に本腰を入れる姿勢を示した。

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STPSの診断義務と椅子配置シナリオ


新ルールは、事業所に対し3つの椅子配置シナリオを提示した。ひとつは作業空間内に椅子を設置すること。ふたつめは作業エリア近傍に椅子を置くこと。みっつめは企業施設内の固定場所に休憩用椅子を用意すること。

事業所はこれに基づき、どの作業場で椅子を活用できるか、座位作業に適した業務内容があるかを診断する義務を負う。この診断により、単なる椅子の提供にとどまらず、業務内容の改善や作業者の健康への配慮を促進する。

加えて、STPSは「巡回記録」についても詳細を規定した。ここには、作業場の安全衛生委員会が行うリスク評価、立ち作業者個別の健康状態把握、予防措置の具体的内容が記録される。これにより、企業内での継続的改善と監査の透明性が高まると期待される。

リスク評価基準と企業負担の軽減策


STPSはリスク評価の指標も明示。評価は「低・中・高」の3段階に分けられ、雇用主は、作業者の立ち時間、作業中の可動性、従業員の自覚症状、姿勢変更可能性などの項目に基づいて回答する。これらの要素は標準化された「質問票」で診断され、各作業場に適した対策立案が可能となる。

また、休憩時間の頻度や長さについては、具体的時間を定めず、職場ごとの実情に合わせた「アクティブ・ブレイク(pausas activas)プログラム」作成を奨励。これにより、硬直的なルールに縛られることなく、柔軟で効果的な労働環境改善が期待できる。

椅子の仕様と職場設計の推奨基準


STPSは椅子の仕様についても厳格な条件を規定した。主な特徴は以下のとおりである。

  • 背もたれ:筋肉疲労を防ぐ支持力の提供。
  • 座面の高さ:足が床に接し、脚・腰の負担を軽減できること。
  • 腰部サポート:脊柱の自然な湾曲に合わせ、しっかりとした支持を確保。
  • 調整機能:座面・背もたれ・肘掛けの高さと角度を個別に調整可能。
  • 人間工学的設計:健康的な姿勢を維持し、各部位への圧力を軽減。
  • 可動性:キャスターまたは回転機構で容易に移動可能。
  • 安定性:意図せぬ転倒や傾きを防止。
  • 肘掛け:前腕の支持により肩への負担を減少。
  • フットレスト:脚の位置調整で快適性向上と血流改善を支援。

このほか、事業所は作業空間の設計において椅子を組み込むだけでなく、床材の衝撃吸収性能を向上させ、適切な作業靴の提供を行うことも義務化された。STPSはこうした総合的な職場改善が労働者の健康維持と生産性向上に資するとしている。

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