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トランプ関税とビール輸出でメキシコを代表するConstellation Brandsに打撃

corona modelo beer warehouse
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米国の関税措置がConstellation Brandsのビール輸出事業に直撃


2025年4月、アメリカ政府が発動した25%のアルミ缶ビールへの関税措置により、Constellation Brandsはメキシコにおけるビール生産と輸出事業で深刻な影響を受けている。対象は20リットル未満のアルミ缶入りビールおよび空のアルミ缶であり、同社はその中心的な供給元とされる。

同社はGrupo ModeloのブランドであるCorona ExtraやModelo Especialをメキシコ国内の3つの工場で製造しており、そのうちNava(Coahuila州)、Ciudad Obregón(Sonora州)の2工場が現在稼働中である。Veracruz州に建設中の第3工場は、既にテスト出荷を開始しており、2026〜2027年の稼働を目指している。

Constellation Brandsは、2024会計年度末時点で48百万ヘクトリットルの生産能力を持ち、アメリカ市場向けビール輸出のうち90%を占めている。特に同社のビール部門は、2024年9〜11月の四半期だけで売上20億3200万ドルを計上し、全体収益の82%を構成する主要事業である。

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アルミ缶関税の影響と企業収益の圧迫


新たに導入された25%の関税は、ビールメーカーにとって物流上の要であるアルミ缶の価格上昇を引き起こし、製造コストの増加をもたらしている。特に、輸出専用の缶ビールを中心に生産するConstellation Brandsには大きな打撃である。

経済アナリストのCarlos Hermosillo氏は、「企業がこのコストを最終消費者に転嫁するか、自社で吸収するかで影響が異なる」と指摘しており、前者であれば需要減少、後者であれば利益率の低下が避けられない。

実際、同社の株価は関税発表直後から下落傾向にあり、2025年1月から4月3日までの期間に17.9%下落し、181.49ドルで取引を終えた。また、投資分析プラットフォームFintelによると、同社に投資するファンド数は2,131から2,063へと減少している。

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工場の立地と輸出ロジスティクスにおける課題


Constellation Brandsが拠点を置く北部2工場からの輸出は、距離的にアメリカ市場へのアクセスが良好だが、新工場が建設されているVeracruz州からは輸送コストが増加する可能性がある。現地メディアExpansiónによれば、Veracruz工場からの出荷は既にJacksonvilleおよびニュージャージーへのテスト出荷を行っている。

この立地の違いが、今後の輸出戦略や容器選定に影響を及ぼす可能性がある。アルミ缶は、軽量かつ積載効率が高く、輸送コストを抑えられるという利点がある一方で、新関税により価格優位性が損なわれつつある。

一部では、ガラス瓶に切り替える動きも検討されているが、輸送重量とコスト増という新たな課題も浮上している。特に中小メーカーにとっては致命的な問題となりかねない。

クラフトビール産業への深刻な影響


メキシコ国内には約3,800の独立系ビールメーカーが存在しており、これらの多くが米国市場への輸出を目指してアルミ缶を使用している。だが、今回の関税措置により、クラフトビールの輸出が実質的に停止状態にあると関係者は指摘する。

Cervecería Monstruo de Aguaの代表であり、Unión Cervecera Independiente(UCI:独立系醸造者連合)の経済アドバイザーを務めるMatías Vera-Cruz Dutrénit氏は、「アルミ缶入りビールの魅力は、軽量で積載効率が高く、輸出に適している点だ」と述べた上で、「25%の追加課税がかかれば、価格競争力を失う」と警鐘を鳴らしている。

クラフトビールは元々価格が高く設定されており、今回の関税はさらにその価格差を拡大させる。結果として、輸入業者はクラフトビールの仕入れを控える傾向を強めており、その影響はサプライチェーン全体に波及している。

今後の対応と市場動向への影響


Constellation Brandsは現在のところ公式なコメントを発表していないが、投資家やアナリストは、同社が価格政策の見直しや販路の再設計を迫られると見ている。

一方、HeinekenやGrupo Modelo(Anheuser-Busch InBev傘下)などの他社は、「Cerveceros de México(メキシコビール生産者協会)」の立場に従うとして個別の対応を控えている。協会自体も現時点で明確な声明を発表していない。

アメリカ政府が今後、ガラス瓶入りビールへの関税を検討する可能性も否定できず、メキシコのビール産業全体が不確実性に直面している。特にクラフト系では、生き残りをかけた容器戦略の見直しや、輸出マーケットの多角化が急務となっている。

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