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Pemexが民間との初契約を7月開始、年末までに日量6.6万バレルを追加生産
国営石油会社Petróleos Mexicanos(Pemex)(メキシコ石油公社)は2025年7月より、民間企業との間で17の契約を締結し、最大で日量66,000バレルの原油生産を実現する予定である。これにより、同社が直面する生産減少(毎月平均55,000バレル)に対処する方針であると、PemexのVíctor Rodríguez Padilla取締役がメキシコ全国誌El Economistaのインタビューで述べた。
これらの混合契約は、新たに制定された「Ley de la Empresa Pública(公営企業法)」に基づいて進められ、Pemexの活動が法的に独占と見なされなくなったことを背景に展開されている。契約の大半はPemexの既存の探鉱投資を活用し、国家資源を民間の投資と組み合わせる形で構成される。
民間パートナーの選定方針と対象企業
Pemexは今回の契約において、国際的大手企業ではなく、すでに国内で実績のある民間企業をパートナーとする方針を明らかにした。Víctor Rodríguez Padilla取締役は「ShellやBPのような外資ではなく、Diavaz、Grupo México、Perforadora Latina、Grupo Carsoといった国内企業が理想的なパートナーだ」と説明した。
この方針により、契約相手は以下の4つのカテゴリーに分類される:
- 未払い債務のないサービス企業
- Pemexへの債権を持つサービス企業(2024年末時点で約5,000億ペソの未払い債務)
- メキシコまたは外国の新規参入企業
- 既に油田運用実績のある企業で、効率化・拡大を目指す企業
この柔軟な枠組みは、各企業の既存インフラや地域知識を活かし、規模の経済(economías de escala)を実現するために設計されている。
契約対象の油田と地理的分布
今回契約が予定されている17の油田のうち、6つは地上に位置し、残りはメキシコ湾沿岸の海上にある。また、将来的にはTrión油田周辺の深海鉱区(aguas profundas)であるNobilisやMaximinoなども候補とされている。
最大の生産ポテンシャルを持つ油田は、Tamaulipas州とVeracruz州にまたがるTampico-Misantla盆地に位置する内陸鉱区であるとされ、ここでの成果が今後の国内エネルギー戦略の要となる見込みだ。
各契約案は、現在はComisión Nacional de Hidrocarburos(CNH:国家炭化水素委員会)に代わって規制を担うSubsecretaría de Hidrocarburos(炭化水素担当次官局)に提出され、承認を受けることとなる。
なお、Pemexは各プロジェクトにおいて最低40%の出資を目指しており、具体的な比率はプロジェクトごとに企業内の取締役会(consejo de administración)で決定される。
生産維持と成長戦略:原油・天然ガスともに増産へ
Pemexはこれらの契約を通じて、原油生産の急激な減少に歯止めをかけることを狙っている。現在、同社が運用する油田では月間約55,000バレルの自然減少が発生しており、それを補填・上回る形での生産が求められている。
新契約による生産は、2025年7月に日量8,000バレルからスタートし、12月までに最大で66,000バレルへと増加する計画である。PemexのExploración y Producción(探鉱・生産部門)の責任者であるNéstor Martínez氏は、「プロジェクトの実施が月ごとに進み、契約の締結とともに生産量も段階的に拡大する」と述べている。
また、天然ガスの生産目標も明示されており、2025年内に日量50億立方フィート(5,000 millones de pies cúbicos diarios)に到達する構想が掲げられている。これは、Sheinbaum大統領による国家エネルギー政策の中核を成している。
Rodríguez Padilla取締役は、「México es un país petrolero.(メキシコは石油の国だ)」と述べ、「経済的困難な時代でも石油が国を支えてきた。今後も例外ではない」と断言している。

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